【機能性表示食品】2026年9月完全施行「GMP義務化」の要件と今後の規制動向

2026年9月の「GMP(適正製造規範)完全義務化」に向け、対応はお済みでしょうか?
「認証取得は必須なのか?」
「グミやドリンクは対象外でいいのか?」
「委託先に何を求めればいいのか?」
といったお悩みを持つ企業様が増えています。

今回は、法令上の「マスト(義務)」と、ビジネスリスクを回避するための
「ベター(推奨)」を整理し、今やるべき具体的アクションを解説します。

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◆「やらなければならないこと」と現在「議論されていること」◆

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1.法令ですでに決定しているスケジュールと対象範囲のおさらい

いつから?
改正されたGMP告示(基準)の完全施行は、2026年(令和8年)9月1日です。
現在はその準備期間(経過措置期間)にあたります。

対象は?
機能性表示食品のうち、「天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」です。
具体的には、天然由来の抽出物(成分が濃縮されたもの等)や化学的合成品を原材料とし、
錠剤・カプセル・粉末・液剤といった形状の製品が対象となります。

義務の中身は?
法令で求められているのは、「国が定めた基準(GMP告示)を守って製造すること」です。
民間団体の「GMP認証」を取得すること自体は、法令上の必須要件ではありません。
しかし、基準を守っていることを自ら担保する必要があるため、
実務上は認証取得が有効な証明手段となります。

2. 【現状と今後】「グミ」や「一般食品」の扱いはどうなる?

現在、実務担当者様の間で判断に迷いが生じやすいのが、
サプリメント形状に近い加工食品(グミ、タブレット菓子など)の扱いです。

■ 現在の運用
錠剤やカプセル剤に近い形状であっても、「風味を楽しむもの」(グミ、ラムネ菓子など)
については、過剰摂取のリスクが低い等の合理的な理由があれば、
「その他加工食品」として届出が可能です。
現時点では、これらは法令上のGMP義務化(GMP告示)の対象外となるケースが
多くなっています。

■ 今後の議論(ここに注意!)
しかし、この線引きについては現在も議論が続いています。
消費者庁の検討会や消費者団体からは、「形状に関わらず、濃縮された成分を摂取する製品(グミ等を含む)については、GMP管理を求めるべき」という意見が出されています。
一方で業界団体からは、菓子製造ラインでのGMP導入の難しさやコスト増への懸念も示されており、慎重な議論が求められています。
「今は対象外」であっても、将来的に規制の考え方が変わる可能性がある点は、
リスク管理として頭の片隅に置いておく必要がありそうです。

3. 企業として「今」進めるべきアクション

2026年の完全実施に向け、以下の準備を進めることを推奨します。

✅ 製造委託先の状況確認(ギャップ分析)
委託先の工場が、改正された「GMP告示」の基準を満たしているか、現状とのギャップを確認しましょう。特に認証未取得の工場に委託している場合は、入念な確認が必要です。

✅ 「自己点検・報告」の実施
制度改正により、機能性表示食品の届出者は、製造・品質管理等の遵守状況を自ら点検し、
年に1回消費者庁へ報告することが義務化されています。
※報告を行わない場合、機能性表示食品としての要件を欠くことになります。

✅ 原材料の品質管理
法令上のGMP義務は主に「最終製品」の製造所にかかりますが、製品の安全性を担保するには「原材料」の管理が不可欠です。
原材料メーカーの管理体制についても、改めて確認しておくことが望ましいでしょう。

GMPへの対応は、単なる規制対応ではなく、お客様に安心して製品を手に取っていただくための「品質のパスポート」とも言えます。
法令の要件を正しく理解し、過度な不安を持つことなく、着実な準備を進めていきましょう。